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京セラの子会社で、国内向けに太陽光発電システムを販売する京セラソーラーコーポレーション(KSC)は、契約からアフターフォローなどの顧客対応を体系的に管理するシステム「シスピー(Customer Satisfaction Program)」を同社のソーラーフランチャイズ(FC)店110店舗に導入、運用を開始すると発表しました。

業界初 太陽光発電システムの顧客満足プログラム『シスピー』の運用開始(京セラ)

シスピーは、契約や施工、アフターフォローなどの顧客対応を21項目に分類し、進捗状況などを体系的に管理するものです。

  • 受注活動
  • 契約~工事日までの6項目
  • 工事開始~終了までの3項目
  • 稼働開始~6カ月後までの6項目
  • 1年次点検(無料)
  • 4年次点検(有料)
  • 8年次点検(有料)
  • 10年次点検(有料)
  • 以降、4年ごとの定期点検(有料)の実施案内の送付

 

シスピー専用アプリケーションを利用し、上記の項目ごとに顧客への対応状況をチェックすることで、各工程のサービス品質を高め、顧客満足度を向上させることを目的としているということです。FC店側は、シスピーの導入によって顧客対応の進捗状況を確認できることから、タイムリーできめ細やかなサービス提供が行えるとしています。

シスピーで顧客を管理している様子

シスピーで顧客を管理している様子(京セラのニュースリリースより)

KSCは、「フランチャイズ展開で全国に販売網を構築していることから、全国どこにおいても同様の質の高いサービスを提供することが大切と考え、顧客満足プログラム『シスピー』の導入を開始しました」とシスピー導入の背景を説明しています。シスピーには「定期点検の時期に対応が遅れた場合は通知するなどの機能がある」ということなので、本来実施されるべき点検が忘れられてしまったといったミスもシスピーの導入によって防止できそうです。

シスピー自体は、FC店向けのシステムであり、直接ユーザーに影響するものではありません。しかし、FC店によるサービスのばらつきが低減して、FC店によらず同等レベルのサービスを受けられるようになるという利点があります。

これまで多くの消費者は、太陽光発電システムの変換効率やシステム価格ばかりに注目し、サポートやアフター・メンテナンスは二の次にする傾向がありました。これは「ソーラー・パネルは故障しない」という神話が前提になっていたからです。しかし「特集:ソーラー・パネルだって故障や不具合が起こります!」で解説しているように、実際には少なからず故障は起こります。大切なことは、目先の価格や効率にだけ目を奪われるのではなく、長期にわたって太陽光発電システムを「健全」に機能させ、本来の発電量をしっかりと維持することです。

今回のシスピーは、急速に拡大する京セラ フランチャイズ網にあって、ともすれば招きやすいサービス・レベルの低下を防止して、特定フランチャイジーによらない一定のサービスを提供可能にするインフラとして機能するでしょう。京セラは国内向け販売で、すでに大きな実績を持つ企業ですが、全国の販売店ネットワーク作りが新しい段階を迎えたということでしょう。どのフランチャイジーに対しても同一レベルのサービスを期待できるというのは、ユーザーにとっても大きな安心につながるはずです。

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