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プリウスに半年乗って分かったこと
実は私、今年(2010年)の1月に中古のトヨタ プリウス(2代目)を買いました。
それまでは旧式のクラウンに乗っていました。私は毎日の通勤に車を使っていて、燃費の悪いクラウンに乗り続けることは、「太陽生活ドットコム」を運営する立場としてまずいのではないかとずっと思っていたのです(クラウンの名誉のために申し上げておきますと、乗り心地はたいへんすばらしく好きでした)。
クラウンの走行距離はすでに10万kmを超えていました。車検に出そうと近所の整備工場に行くと、「10万kmを超えると、交換部品や工賃が非常に高くなる」と脅かされ、それならばとプリウスに乗り換えたのです。
ご存じのとおり、プリウスは電気モーターとガソリン・エンジンを併せ持つハイブリッド・カーで、両者をうまく使い分けることで、非常に高い燃費性能を実現しています。実際に燃費はすばらしく、もはや普通のガソリン・エンジン車には戻れないなと思う今日この頃です。
私は車マニアではありませんが、ハイブリッド・カーについてはある程度勉強して買ったつもりでした。しかし実際に乗ってみると、いろいろと気が付くことがあります。また周囲の人からプリウスのことを聞かれて、けっこう誤解されているところがあるとも思いました。今回は、そんなプリウスの誤解や、実際に乗ってみて分かったことについて簡単にまとめましょう。
渋滞ノロノロ運転にめっぽう強い!
プリウスが本領を発揮するのは、市街地の渋滞ノロノロ運転だと思います。プリウスは、プラスの加速度が一定以上のとき、高速走行のとき以外は、できるだけエンジンを止めて、電気モーターだけで走行しようとします。つまり定速走行時(60~70km/h以下くらいのとき)、減速時、停止時、停止状態から少しだけ動き出すときには、モーターだけを使い、エンジンは動かしません(バッテリが少ないとき、エアコン稼働時など、例外もあります)。したがってこれらのときにはガソリンを一滴も使いません。
もっとも効くのが市街地の渋滞ノロノロ運転なのです。ちょっとコツをつかめば、エンジンをいっさい動かすことなく、(バッテリがなくなるまで)渋滞ノロノロに対応し続けることができます。距離が進まないわりには、アイドリングと発進を繰り返す渋滞ノロノロは、ガソリン車の燃費を圧倒的に下げるとともに、周囲に排ガスを蔓延させる元になりますが、プリウスならガソリンを使わず、排ガスも出さず、騒音も出さずに渋滞に対応できます。昼間の環八(環状8号線。東京の渋滞の名所です)を走る車がすべてプリウスだったら、たとえ渋滞でも静かで、排ガスくさくもなくなって、どんなに周辺の人たちは助かるだろうか……、などと思ってしまいます。
つまりプリウスは、渋滞や信号の多い市街地でも、ほとんど燃費が落ちません。これには正直驚きました。1500ccエンジンを搭載する2代目プリウスで、エアコンなどをつけなければ、市街地でも20~22km/Lくらい走ります。
高速に乗ってもそれほど伸びない
ガソリンスタンドの店員に言われました。「え? 市街地で22km/L? それはすごい。高速で遠乗りしたら30km/Lとかいっちゃうんでしょうね!」
気持ちは分かる。でもこれは誤解なんです。確かにガソリンエンジン車は、高速で一定走行すると大幅に燃費が上がります。でもプリウスはちょっと違う。高速走行ではエンジンが回転し続けますから、実はそれほど燃費は上がりません。私の感覚では、23km/L程度だと思います。
エアコンを入れると燃費がガクンと下がる
冬の暖房、夏の冷房は欠かせないものですが、エアコンを入れると、てきめんに燃費が下がります。特に冬の暖房が効きます。暖房を入れると、どんなに省エネ運転をしても、19km/L以下という感じです。冷房のほうは少しはましで、20km/Lくらいの感じでしょうか。おかげで、なるべくエアコンを入れずに運転するようになりました。
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冬場も夏場も市街地も遠乗りもひととおり経験して、プリウスについてわかったことを簡単にまとめてみました。同じハイブリッド・エンジンでも、ホンダの方式ではエンジンは動き続けるのだとか。プリウスは「エンジン付き電気自動車」、ホンダ方式は「電動アシスト ガソリン自動車」だと誰かがいっていました。なるほど。そうだとすると、やはり渋滞でエンジンが完全に止まるプリウスに軍配が上がるなぁと思います。クラウンに比べると振動は鋭いのですが、プリウスは本当に気に入っています。