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実は私、今年(2010年)の1月に中古のトヨタ プリウス(2代目)を買いました。

それまでは旧式のクラウンに乗っていました。私は毎日の通勤に車を使っていて、燃費の悪いクラウンに乗り続けることは、「太陽生活ドットコム」を運営する立場としてまずいのではないかとずっと思っていたのです(クラウンの名誉のために申し上げておきますと、乗り心地はたいへんすばらしく好きでした)。

クラウンの走行距離はすでに10万kmを超えていました。車検に出そうと近所の整備工場に行くと、「10万kmを超えると、交換部品や工賃が非常に高くなる」と脅かされ、それならばとプリウスに乗り換えたのです。

ご存じのとおり、プリウスは電気モーターとガソリン・エンジンを併せ持つハイブリッド・カーで、両者をうまく使い分けることで、非常に高い燃費性能を実現しています。実際に燃費はすばらしく、もはや普通のガソリン・エンジン車には戻れないなと思う今日この頃です。

私は車マニアではありませんが、ハイブリッド・カーについてはある程度勉強して買ったつもりでした。しかし実際に乗ってみると、いろいろと気が付くことがあります。また周囲の人からプリウスのことを聞かれて、けっこう誤解されているところがあるとも思いました。今回は、そんなプリウスの誤解や、実際に乗ってみて分かったことについて簡単にまとめましょう。

(さらに…)

三菱自動車の「i-MiEV(アイミーブ)」や日産自動車の「リーフ」といった電気自動車の一般消費者向けへの販売が開始されました。電気自動車は、安価な夜間電力を利用して充電し、その電気で走ることで燃料費を大幅に低減できるというメリットがあります(ガソリン自動車の10分の1から15分の1という調査結果もあります)。また、発電時に発生するCO2を考慮しても、ガソリンを燃やして走る従来の自動車よりはCO2削減効果が期待できます。将来的には、太陽光発電システムで発電した電気を電気自動車に充電して利用するというアイデアもあるようです。これが実現すれば、運用時点ではいっさいCO2を発生しない自動車利用が可能になります。

一戸建ての住宅なら、車庫を改造して電気自動車の充電器(EV充電器)を設置することができます。しかしマンションとなるとこうはいきません。既存のマンションの駐車場にEV充電器を設置する場合、共用部分の変更にあたるため、区分所有法により、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要になるためです(追記:場合によっては、管理規約の規定により2分の1以上の多数決で導入できる可能性もあります)。

EV充電器と電気自動車のマンション居住者への普及は、にわとりと卵の関係ともいえます。電気自動車が普及しているのであれば、マンションにもEV充電器が必須となります。しかし普及していない状態では、EV充電器の導入とメンテナンスに無駄な費用がかかるだけのものとなってしまうため、マンションの区分所有者の賛成を得るのは難しく、EV充電器の導入は進みません。EV充電器がなければ、電気自動車は使えないので、マンション居住者は購入できません。

機械式駐車場の場合、設備の入れ替え時期(耐用年数は20年から25年)にEV充電器付きに更新するのであれば、まだ区分所有者の理解を得やすいかもしれません。それでも設置コストやメンテナンスコストが上がることが予想されるため、EV充電器の設置によほどのメリットがないと、多数の賛成を得るのは容易ではないでしょう。平置き駐車場では、さらにEV充電器の導入は困難です。駐車場エリアに電源が設置されていないケースが多いことから、EV充電器を取り付けること自体が難しかったり、大規模な工事が必要になったりするからです(機械式駐車場の場合は、パレットと呼ばれる駐車エリアを移動するための電源があるため、機械式駐車場をEV充電器付きへ更新すれば済みます)。

・電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)に対応充電機能を持たせた立体駐車場を開発(三菱重工パーキング)
https://www.mhi.co.jp/news/story/0912154884.html

plug-in リフトパーク

三菱重工パーキングのEV充電器付き立体駐車場「plug-in リフトパーク」(写真提供:三菱重工パーキング)

たとえマンションにEV充電器が導入できたとしても、課金方法など解決しなければならない運用上の問題があります。そこでマンションデベロッパー大手の大京は、日産自動車と協力して既築マンションへのEV充電器の設置に対する問題点などを検証していく、と発表しています。大京では、前述のように区分所有者の合意を得るのが難しいことが予想されるため、既築マンションにEV充電器を設置するためのスキーム(所有者の合意形成)を検証するということです。またEV充電器を居住者に利用してもらうことで、運用上の課題とその解決策を実証するとしています。

・ルノー・日産アライアンスと大京 分譲済みマンションにおける電気自動車充電インフラに関する覚書を締結(大京)
http://www.daikyo.co.jp/dev/files/20100810.pdf

環境にやさしく、燃料費も安く済む電気自動車ですが、マンション居住者が買えるようになるまでは、乗り越えなければならない高いハードルがありそうです。