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「スマートグリッド」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? スマートグリッドは、送電網とコンピュータ・ネットワークを組み合わせてインテリジェントにして、電力供給側(電力会社)と消費者側の双方で、できるだけ効率のよい電力受給を可能にしようとするものです。太陽光発電や風力発電など、自然エネルギーというのは天気や気候まかせで発電量が変わるため、これらの自然エネルギーを有効に利用するには、電力の受給バランスをダイナミックに調整できる必要があるとされます。このために必要なのがスマートグリッドというわけです。スマートグリッド(smart grid)は、「かしこい送電線網」というような意味です。

未来の私たちの生活にも深い関係があるスマートグリッドですが、正直なところ、あまり身近な存在ではありませんよね。もっといってしまえば、「小難しい専門用語を振りかざして、よけいなものを買わせようとする企業側の作戦では?」とすら思ってしまいます。コンピュータ業界は、長年この手でユーザーによけいな買い物をさせてきたところがあるので、しかたない先入観かもしれません。

あのGoogleが、スマートグリッドに向けてサービスを提供

けれどもアメリカでは、すでにこのスマートグリッド時代に向けたビジネスへの投資が活発です。具体的には、みなさんもよくご存じのGoogle(グーグル)や、Microsoft(マイクロソフト)も、すでに静かにサービスを開始しています。このうち今回は、Googleが2009年2月からサービスを開始しているGoogle PowerMeterをご紹介しましょう。

Google PowerMeter(米国)

Google PowerMeterは、自宅の電力消費をインターネットのWebページでグラフィカルに表示して、効率的な節電を可能にしようというものです。見た目はこんな感じです。

Google PowerMeterの画面。電力消費の状態を、インターネットでリアルタイムに確認できる。写真提供:first:utility(英)

 

簡単にいえば、電力消費量の「見える化」ですね。太陽光発電システムを設置したときに、電力消費/発電状況を確認するために設置される電力モニタと同様の機能だと思ってよいでしょう。電力モニタがつくと、電気の使用量が「見える化」されて、その結果、無駄遣いが明らかになり、節電が進むといいますが、これとまったく同じ効果が期待できるようです。Google PowerMeterを導入したユーザーの声が紹介されており(→当該ページ(英語))、これを見ると、電気代が20~40%も減ったという喜びの声が並んでいます。

ただ当然ながら、このサービスを利用するためには、消費電力の状況をリアルタイムでGoogleに報告する手段が必要になります。具体的には、情報通信の機能を持った消費電力計(スマート・メーター)か、消費電力をモニタして、結果をインターネット経由で送信できるモニタリング・システムのいずれかが必要です。通常、消費電力計は契約した電力会社が設置するものなので、電力会社がGoogle PowerMeterに対応したスマートメーターを提供している必要があります。たとえば、上の画面で紹介したfirst:utilityは、イギリスの電力会社で、スマートメーターとGoogle PowerMeterに全面的に対応しているようです。

first:utilityのGoogle PowerMeterの説明ページ(英語)

通信機能を持ったスマートメーターの設置は、日本でも一部の電力会社で実証実験が始まっています。契約している電力会社がスマートメーターを提供していなければ、自分でモニタリング・システムを購入することで、Google PowerMeterを利用できます。

Google PowerMeterのしくみ。

なぜGoogleなのか?

それにしても、どうしてインターネット検索サイトのGoogleが、こんなサービスを提供しているのだろうと疑問に思った方もいるでしょう。Googleの説明を見ても、だれでもわかる表面的なこと以外はあまりはっきり書いていないので、ここから先は私の想像です。将来的には、パソコンだけでなく、家の中の多くの家電製品がインターネットにつながるようになって、さらにいろいろと便利になっていきます。たとえばGoogleとソニーが、Google TVというインターネット接続機能を持ったテレビを発売したのは知っている方も多いでしょう(→Google TVのページ(英語))。

テレビ以外の家電製品も、ネットワーク機能がついて、集中管理できるようになったり、外出先からコントロールできるようになったりしていくでしょう。たとえば、目覚まし時計とインターネットを接続すると、天候や交通渋滞情報、電車や飛行機の運行状況などをリアルタイムに検知して、アラームを鳴らす時間を自動的に調整する、なんてこともできるようになるかもしれません。

家の中のすべての家電製品が、1社のメーカー製品だけで埋め尽くされることはありませんから、こうした未来の住宅を作るために必要なのは、多くの家電製品が情報ネットワークにつながるための共通のプラットフォーム(基盤)ということになります。Google PowerMeterは単なる消費電力のモニタですが、その先にあるのは、世界の住宅を手中に収めるための情報プラットフォームなのだと思います(実際、Google PowerMeterはプログラム・インターフェイスを公開しており、いろいろな機器がPowerMeterにアクセスできるようにしています)。

家電製品に強みを持つ日本メーカー各社は、ガラパゴス携帯電話による各社の小競り合いがもたらした結果をよく考え、一致協力して黒船来襲に備える必要があると思います。


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