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 太陽光発電の総合イベントとして恒例のPV Japan 2010(2010年6月30日~7月2日開催)のPV Japan 2010に取材に行きました。お目当ては、太陽光発電システム・メーカーの最新動向や、関連産業の動向について記事の材料を集めることです。メイン・ストリートともいえる主要メーカーのブースの取材をひととおり終えて、これといったあてもなく、会場の隅のほうをそぞろ歩いていたときのことです。ふと、宇宙との交信に使うのかと思うような不思議な機材が並ぶブースを見つけました。この機材、かなり立派なつくりのものがあるかと思えば、ダンボールにアルミ箔を貼り付けて作った、まるで夏休みの工作を彷彿とするようなものまであります。よく見れば、どれも中央部分にナベや食べ物の模型などが置いてあります。

ソーラー・クッカー。太陽の光を集光して、その熱で調理する機材。

ブースの看板を見れば、「日本ソーラークッキング協会」とあるじゃありませんか。太陽光発電の情報サイトを立ち上げて約1年。太陽エネルギー活用の世界はそれなりに知っているつもりでいましたが、不覚にもこれは知らなかった。そうです、「ソーラー・クッキング」とは、太陽の熱を利用して調理を行うことで、そうしたソーラー・クッキングの実践や研究、普及活動を行っているのが日本ソーラークッキング協会さんだったのです。ブースにいらっしゃった協会の富岡さん(写真)にお話をうかがいました。

日本ソーラークッキング協会の富岡さん。「ソーラー・クッキングは一度体験するとヤミつきになる」とか。

・日本ソーラークッキング協会
http://www.geocities.jp/jscajp/

太陽光を集光し、得られる熱で調理する

 ソーラー・クッキングでは、レンズや反射鏡などを利用して太陽の光を集光し、これを黒く塗った鍋などに当ててこれを熱して調理します。前述したとおり、調理器具(ソーラー・クッカー)には、本格的なものから、手作り感満載のものまでさまざまな種類があります。どうやら、協会員のみなさんが手作りで設計されたものも多いようです。ソーラー・クッカーを利用して、ゆで卵や各種煮物、焼き芋、茶碗蒸し、ポップコーン、プリンやケーキまで、ほとんどの調理が可能なんだそうです。「ソーラー・クッキングは一度体験するとヤミつきになりますよ」と富岡さん。

 もちろん、調理に使う熱源は自然の太陽光ですから、調理に必要な熱エネルギーを得るためのCO2は排出しません。このことから協会では、ソーラー・クッキングを一緒に実践しながら、子供の環境教育を行っているとのこと。

 またソーラー・クッカーは、電気やガスなどが利用できない地域、砂漠や森林破壊地域などで薪が使えないところでも調理に使えることから、海外への紹介活動なども積極的に展開されているそうです。

 上記の日本ソーラークッキング協会のホームページには、さまざまなソーラー・クッカーや、各種調理レシピなども紹介されています。ご興味のある方はアクセスしてみてください。

 すばらしい取り組みだと思うのですが、調理途中で急に天気が変わったら、どうなるんでしょうか…。大事なことを聞くのを忘れてしまいました。

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2 件のコメントが寄せられています。:

  1. 西川 豊子 says:

    取材いただいて、ありがとうございました。
    日本ソーラークッキング協会事務局の西川と申します。
    途中で曇った時は、日本では、ガスに切り替えて調理を完成させます。
    ご飯を炊いていて、曇ってしまったら、雑炊にしたりしてます。
    ダメになっちゃうと思わずに、最後まで諦めず、調理します。
    先日25日には、中学校の会場で小学生がキャンプをして、ソーラークッキング体験をしました。
    200名近い生徒にソーラーケーキを食べてもらおうと、12個も焼きました。みんな、太陽の味がするケーキを満面の笑みで「美味しい!」と感動してくれました。

  2. 西川さん、ありがとうございます。
    なるほど、ご飯を炊いている途中で曇ったら雑炊に計画変更ですか。そういう偶然も楽しみの一つかもしれませんね。